シャンプーはどのように選んでいますか?Part2

こんにちわ。
ワンクスクリエイションの山口です。
前回のブログで『洗浄力がマイルド=犬猫に優しい』という訳ではない。という理由を考えてみてください。
と投げかけさせてもらいましたが、いかがでしょうか?

・『正しい』という理由
皮膚表皮への刺激という観点からは正しい。
皮膚表面は角質で覆われており、この角質のキメが整っていることで皮膚のバリア機能としての働きを持つので、洗浄力が高すぎると必要な皮脂まで落としてしまい乾燥が進み、下図のような角質層の状態になります。
荒れた角質
そうなるとバリア機能が低下し、特に角質層の薄い犬猫は皮膚トラブルの原因が高まります。
『清潔にしすぎるのは良くない』と言われるゆえんでもあります。

ただし、洗浄力がマイルドであることで良くない状況も生まれます。

・『正しくない』という理由
皮脂汚れの多い子に対してはマイルドな洗浄力がトラブルを生むことがある。
①洗浄力がマイルドなので皮脂汚れが落としきれない。
古い皮脂は老化角質(古い角質)と共にあり、多少は残しておかないと皮膚バリア機能が低下してしまうのですが、必要以上に残っていると菌の温床となり、皮膚トラブルへとつながるリスクが上がります。
必要以上の老化角質には、菌の繁殖がしやすいアルカリ性、酸化した皮脂と角質という栄養素、体温という適温、汗という水分が豊富にあることから、菌が増えるには最適の場所です。
また、老化角質がたまることでターンオーバーサイクル(皮膚の生まれ変わる期間、健康な犬では約3週間)が遅くなります。
老化角質

②洗浄力がマイルドなので皮脂汚れをシッカリと落とすために何度も洗う。
何度も洗うことで犬猫のシャンプーやトリミングにかかる時間が増え、犬猫の負担やストレスが増えるだけでなく、お店の効率低下や光熱費増大などに関わります。

③皮脂汚れを落とすために強くこする。
犬猫の角質は人間の約1/3程度しかなく非常に薄く、傷つきやすいです。
例えるなら女性の顔の皮膚のようなかんじです。
そこを強くこすると表面が傷つき、乾燥を進めたり、皮膚バリア機能が低下し菌の侵入・繁殖を進行させたりします。

以上のことをご参考にしていただき、シャンプー選びを見直してみるのはいかがでしょうか?
またシャンプーだけでなくクレンジングオイルなども上手に取り入れ、より負担少なく、効率的にグルーミングを行っていただきたいと思います。

※上記内容も一般論を基にしています。※
個体によって皮膚常在菌や遺伝、アレルギー抗体なども異なりますので異変を感じたら使用中止やパッチテスト、医師に相談などを行うことをお勧めします。